第7章 当主
「もう2度と一人で勝手な事をしないで下さい…
約束ですよ?」
『っ、うん…、うんっ!約束するぅ〜〜!!』
叩かれた頬の痛みなんて、もう気にならなかった。
だって、しのぶちゃんの方がきっと
私の何倍も心を痛めていたはずだから。
きっと御館様から私が怪我をしたと聞いて
わざわざここに駆け付けてくれたんだ。
そんなしのぶちゃんの優しさが身に沁みて
しばらくの間、私の涙は止まらなかった。
昨日も御館様の前で沢山泣いたはずなのに
涙は洪水のように流れてくる…
そんな私のことをしのぶちゃんは嫌がることなく
私が泣き止むまで、ずっと抱きしめ続けてくれていた。
「さん…、鬼殺隊への入隊
おめでとう御座います。
これからも一緒に頑張りましょうね?」
『うん…っ、ありがとう、しのぶちゃん。』
私の方が歳上なのに
こんな泣いてばかりじゃどっちが歳上なのか分からないよね…
もっとしっかりしなきゃ…
私もしのぶちゃんや冨岡さんみたいに
もっと強くなって…
みんなに慕われるような立派な剣士にならないと。
…私は、心の中でそう強く決心した。