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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第6章 唐突




さっきまで降っていた雪はすでに止んでいて
道路にも対して積もっていないから
滑って転ぶ危険性もないまま帰れそうだった。





早くしのぶちゃんや蝶屋敷のみんなに
鬼殺隊への入隊を決めた事を報告したい…


自分の呼吸を身に付けたことや
冨岡さんに稽古をつけてもらったことを話したい…




頭の中でみんなに話す事を走りながら考えていると
前方の道に鬼殺隊の隊服を着た人影が見えて…





『なんか……歩き方が変…』




徐々にその人との距離が近くなると
肩を抑えて、足を引き摺りながら歩き
手負の状態なのが分かった。





『っ、だ、大丈夫ですか!?』






慌ててその人に駆け寄ると
顔は見た事がない男性隊員で…


荒く息を吐いていた為
私は応急手当をしながら、何があったのかを問い掛けた。






「強い…、すげぇ強い鬼が、いたんです…。
俺以外にも何人か隊員がいたんですけど…
みんなやられそうで…
俺…怖くなって、逃げ出して……
助けを呼びに行こうと……ここから近い蝶屋敷に…」


『強い鬼……』


「まだ生きて戦ってる仲間を残して…
俺はっ…」


『大丈夫ですよ、
誰だって死ぬのは怖いですから…。
逃げ出したくなるのは当然です。』


「うっ…うぅ…」





私の言葉を聞いた隊士は、ポロポロと泣き始めた。




溢しているのは、誰にだって分かる悔し涙…。



自分にもっと力があったら…
もっと強ければ……

鬼を退治して、仲間を救う事が出来たのに…って
そう思ってるはずだ。



…その隊士の涙を見ているだけで
彼の思いが痛いほど伝わってきた。





『…応急手当は済みました。
肩の出血はまだ止まってないので
押さえながら蝶屋敷に向かってください。』


「ありがとう…ございます…」


『それで、鬼は何処に現れたんですか?』


「え…、ちょ、ちょっと待って下さい!!
まさかそこに向かうつもりですか!?」


『そうですけど…』


「ダメですよ!!
強い鬼が出たって言いましたよね!?
貴方みたいな女性が向かったところで
鬼に殺されますよ!?!?」





…そんなの分かってる。



私だって凄く怖いし
まだ鬼殺隊でもない私が行ったって
殺されるかもしれないってことは分かってる…。




でも…



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