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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第6章 唐突








『冨岡さん、
今日は本当にありがとうございました。』


「…じきに夜になるが、
送っていかなくても平気か?」


『大丈夫です!
走って帰ればすぐ蝶屋敷に着くので。』





時刻は夕方4時を過ぎたところ…




しばらく雪を眺めた後、
冨岡さんに水の呼吸の型を見せてもらったり

雪の呼吸の型を一緒に考えてもらったりしていたら
いつの間にか時間がかなり経過していた。




屋敷の門の外まで出て
見送りに来てくれた冨岡さんに、稽古に付き合ってくれたお礼を伝えた。





「…、
鬼殺隊へ入隊する意思は固まったか?」


『はい!蝶屋敷に帰ったら
しのぶちゃんにも話そうと思ってます。』


「正式に入隊が確定するのは
最終選別を突破してからだ。
その辺りの話も、胡蝶に詳しく聞くといい。」






最終選別…




その話はカナヲちゃんから少し聞いたことがある。

藤の花が年中咲いている藤襲山で
7日間生き残ること。

その山には、鬼が数十人閉じ込められていて
生き残るためには、鬼と戦わなければならないと…。




私はまだこの時代に来てから
鬼の首を斬ったことがない…。


そんな私が、最終選別に通る事なんて出来るのかな…。




冨岡さんの話を聞いて、少し不安な気持ちに駆られていると、頭上に冨岡さんの手がフワッと置かれていた。





「お前なら大丈夫だ。必ず突破出来る。」

『そう…でしょうか…』

「お前は、諦めない気持ちを持っている…
心を強く保ち続けろ。」


『っ、はい!!』






冨岡さんの言葉が、ズシッと胸に響き渡り
私の不安はすぐに解消された。



頭上に置かれた手も、すごく暖かくて優しい…


この人に触れられると、何故か私の心はすぐに落ち着くんだ。






『私、これからも頑張ります…。
また時間が出来た時は、稽古をつけてくれますか?』

「あぁ。いつでも相手になろう。」


『ありがとうございます!』




お礼を伝えると、頭上に置かれていた手が離され
最後に一礼をしてから、私は蝶屋敷に向かって走り出した。





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