第7章 死神と蝶屋敷
「ただですねー。この口付けは一回切りとは限らないんですよねー。」しのぶが頬に手を当てながら困った顔を向ける。
「混ざり合ったチャクラがなくなれば、また柊さんの使用不可なチャクラで満たされちゃうです。その度に誰かとキスしないとダメですねー。」
ニコニコと笑いながら話すしのぶの言葉に理解した柊は徐々に顔を赤く染めていく。
「なっ!また杏寿郎と…//」
「あら?煉獄さんと。なんて言ってませんよ?まぁ心身ともに強い人物ならチャクラの質や量も申し分ないですね。柱の方達なら確実ですね。あら!そう言えば煉獄さんも柱の1人でしたねー。どうしました?柊さん。顔真っ赤ですけど?」
クスクスと笑うしのぶを恨めしそうに睨む柊。
「しのぶ。揶揄うのはその辺にしてくれ。」
「冗談はさて置き。稀血の件もチャクラの件も危険ですので慎重に扱いませんとね。」
「(絶対冗談ではなかったが)…。稀血は危険だとわかるが、チャクラの話は特に危険だとは思わないが。」
「何言ってるんですか!もし、噂になれば柊さんの貞操の危機ですよ!いいですか?人の噂なんて尾ひれはひれが付くんです!柊さんの命を救うための口付けがいつの間にか『キスすれば俺が強くなる』に変わっちゃったり、『キスで傷が治る』になったり、キスどころか『同衾すれば強くなる』なんて噂になったらどうするんですか?!柊さんは綺麗で可愛いんです!その辺の隊士に手篭めにされるなんてダメですからね!」
「…わかった。わかったから。落ち着いてくれ…。」
しのぶの勢いはものすごく、柊の顔面に迫る迫力にわかったとしか言えなかった。
「何度でも言います。自分を大事にしてください。」
しのぶが柊を抱きしめる。
「うん。ちゃんとわかってる。ありがとう。しのぶも、自分を大事にな。」
「…柊さん。私と口付けしますか?」
「…は?」
「私、柊さんとならいいですよ?私も柱の1人です。男より女の方がいいんじゃないですか?そうしましょう!」
そう言って顔を近づけてくるしのぶ。
「…え…?ちょ…待て…」
あと僅かで触れるところに
ーーーコンコンコンーーーー
「師範。お客様が来てます。」
(カナヲ!助かった!!)