第7章 死神と蝶屋敷
「あと気になることが一つあるんだが…。」
「なんでしょう。」
「この世界では霊子が薄く、たまりづらいと話したんだが。」
「ええ、『鬼道』でした?死神が使える能力ですよね。霊子が薄くて普段なら爆弾並みの威力もマッチ替わりにしかならないとか。人の腕を捻り切るほどの拘束技も普通に使えた。と言ってましたね。」
「今は体に霊子が充満して霊圧が高まっている気がする。」
「あら、霊子が濃い場所。ということでしょうか?」
「いや、場所は関係なくて…。」
「何か心当たりがあるですか?」
しのぶが今後の柊の体調や戦闘にも関わると思い、カルテに記入しようとペンを手に持ち、聞く態勢になる。
「…杏寿郎と……………を…した時に……。」
言葉を濁し、小さな声で聞き取れない。
「え?なんですか?すみませんがもう一度お願いします。」
「っ!杏寿郎と、口付けをっ…したとき…に…。」
「…はい?」
「最初は心臓の脈が早くなって体が熱くなったんだ。それは彼に触れられる時いつもなんだが、口付けをされた時はいつもより体が熱くて中心が締め付けられる感覚で、その中心に何かが触れた時、雷に打たれたかの様に頭から足の先まで痺れるようだった。その時霊圧が高まったのを感じたんだ。今なら最高位の鬼道も使える気がする。」
柊らしからぬ早口で説明する。恥ずかしいのか顔を赤く染めながら。
そして彼女の口からとんでもない事実を知るしのぶ。
普段から煉獄が柊の体に触れていること。
先ほどの屋敷で対面で抱き合っていたのは口付けの後だったということ。(見なくてよかった)
そして、、十中八九柊はあの時煉獄によって絶頂を向えたということ。
しかも当の本人は何が起きたのか理解してない様子。
(煉獄さん、これはある意味犯罪ですよー)
「んー、煉獄さんと、というよりもこの世界の住人とキスをしたから。でしょうね。(キスなのか絶頂なのかはまだわかりませんが)柊さんと霊子との関係はこれから調べていきましょう。これからどんな時に減るのか増えるのかをメモしておいてください。あと、最高位の鬼道とやらは使わないでくださいね。」
こくりと頷く柊。