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死神の華【鬼滅の刃】

第4章 死神と日輪刀


杏寿郎side

任務が終わり少し遠方だったのもあってかお昼過ぎに帰宅した。

玄関を開けて「ただいま戻りました!」と草履を脱ぐ。
いつもなら父上か稽古中のリーンが出迎えてくれるのだがそれがない。
不思議に思っていると見慣れぬ草履が一足目に入る。
(あぁ、客が来ているのか)
なら静かにした方がいいか。そう思い奥の自室に向かおうと廊下を進むと居間の先の客間から何やら騒がしい声が聞こえる。
どうやら父とリーン、客であろう男性の声だ。
怒鳴り合って喧嘩してるわけではないがもし収集がつかないのなら話を聞こうと思い、客間に入る。

「何やら騒がしいがどうかしたのか?」

青筋を立て「前田を消し炭にする。」と物騒な事を吐き捨てる父。
その父を抑え込もうとしているひょっとこ面の恐らく刀鍛冶の刀匠。
そして「あぁ杏寿郎おかえり。」となに知らぬ顔で挨拶してくるリーン。
(なんだ?この状況は?)


というかリーンの……この隊服は……。

「杏寿郎!見てくれ!隊服が支給されたのだ。少し胸元がキツイが似合ってるか?」
後ろで大の大人2人が騒いでる最中、杏寿郎に隊服をお披露目する柊。まさにカオス。

柊のそばに近寄り自分の羽織を脱ぐと柊の頭からすっぽりと被せる。そして胸元を隠すように羽織の前を閉じる。
「…うむっ!似合っている!似合っているが…俺には目に毒だ。」
そして。と今度は柊の耳元で
「他の男にリーンの肌は見せたくない。見ていいのは俺だけだ。」と囁く。
思いがけない杏寿郎の低く甘い声色にビクッと肩が跳ねる柊。
咄嗟に囁かれた方の耳を押さえ、パクパクと口を動かす柊。
何か言いた気だが言葉が出ない。
それを見た杏寿郎は満足そうに笑う。

そしてその2人のやりとりを見ている槙寿郎と願鉄。
「知っているか?あれであの2人恋仲でもなければお互いの恋慕にも気付いておらんのだ。」
「なんと!それは…見ててまどろっこしいですな」

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