第4章 死神と日輪刀
目が覚めると体勢が変わっていた。柊は杏寿郎に背を向けてその後ろから杏寿郎がピッタリと体を包み込むように寝ていた。
杏寿郎の腕は柊の腹の上だ。
背中に杏寿郎の温もりを感じて安心する。首を捻れば彼の整った顔が間近に見える。ずっと見ていたいが首が痛いので戻す。
そろそろ起きようかと杏寿郎の腕から抜け出そうとしたが、
(重い、、)
腕を持ち上げようとモゾモゾと動いていると寝ている杏寿郎が逃がさないと言わんばかりに抱きしめる力を強める。
「杏寿郎。そろそろ起きよう。」そう言えば
「リーン、、。もう少し、、。」そう返ってくる。
「ふふ……。杏寿郎は可愛いなぁ…。」
『可愛い』という単語が意に沿わなかったのか更にぎゅーっと抱きしめる力が強まる。
そして腹に乗っていた杏寿郎の手がスルスルと上に上がってきた。浴衣の合わせの隙間から手を入れ、
ーーーむにゅーーー
柊の胸に杏寿郎の手が触れる。
「ちょ、、杏寿郎、、?胸、、当たってる、、」
今しがた会話をしたようだが、夢現らしく杏寿郎はまだ目を瞑っている。
最初は触れるだけのものがその柔らかさを堪能すべくゆっくりと胸全体を包み込みやわやわと揉みしだく杏寿郎の手。
「ひゃっ…あっ…だめっ…だ……杏…寿郎っ!」
その時胸の先端に杏寿郎の指が掠めた。
「っっあぁっ!!」咄嗟に出た大きな声に自分で驚き口に手を当てる。(またしても妙な声が出てしまった!)
「はぁ、、はぁ、、杏寿郎っ。」
背中越しの杏寿郎の腰がぐいぐいと柊の尻に当たるように動く。脚が絡みつき固定されて逃げ出せない。
(硬くて熱い。これはまさか杏寿郎の…?)
杏寿郎の息が耳元にかかる。
それが余計に艶かしい材料になってしまう。
(ダメだ!このままでは!)
「縛道の一!塞!!」
ガシッと杏寿郎の腕が後ろ手に縛ら上げられる。
死神の力である鬼道を使い杏寿郎の動きを封じた。
「なんだっ!!襲撃かっ!!!?」
衝撃で目を覚ました杏寿郎は辺りを見回した。
するとそこには息も絶え絶えにした柊の座り込んだ姿があった。
顔を真っ赤に染め上げ、目に涙をためている。
更には浴衣がこれでもかと乱れていて、襟元からは乳房がこぼれ落ちそうで足元も捲れ上がり、際どいとこまで見えそうだ。