第3章 死神と藤襲山
杏寿郎side
リーンが俺から離れる、、?
そんな事考えた事なかった。まさに寝耳に水だ。
更に宇髄は続ける
「まぁそのまま水柱の冨岡のとこに行くのが妥当だろうな。剣術の腕がいいのならそのまま任務にも着いていくだろうし、まさに一蓮托生。一心同体。『常に』『一緒に』行動を『ともに』するんだろうなぁ。」
変に強調してくる宇髄を睨みつける。
「まぁ俺は勿論だが、煉獄も一般的に男前でモテる。だが冨岡はまた違った男前だよなー。男臭さじゃない綺麗な顔してるもんなー。あんな色男に言い寄られたらコロっと落ちるかもなー。」
そこまで言われるとむっとする。
「な、、リーンは顔で人を選ばない!!ちゃんと心を見るのだ!」
「そうは言っても煉獄さんよー。その心を冨岡が鷲掴みにしちゃったらどーすんのよ。」
「そ、れは、、。リーン選んだ道なら仕方あるまい。……応、援す、、る。」
「へぇー。『応援』ねぇ。まっ、俺様が言いたいのは、欲しいもんは欲しいって行動しなきゃ何にも始まらねぇって事だ。」
(行動、、か、、。)
悩む杏寿郎に
「聞いた話だけだが、彼女、知識やら色事やらが極端に乏しすぎる。好きだと言っても友愛にしか取らないだろう。頭でも髪でも手でも触ってこい。」
ケラケラと揶揄う宇髄に
「楽しんでるだろう、、」
「あぁ楽しい!」と満面の笑みだ。性格の悪いやつだ。
「まぁ冨岡みたいな奴に横から掻っ攫われるくらいなら先に手出しちまえって話だな。」
「宇髄っっ!!そんな破廉恥な事!俺がするわけないだろ!!」
手を出せと言われ顔を真っ赤にする。出発前の夜のことを思い出す。
「あれー?杏寿郎くん、もしかしてもう手出しちゃったのかなあ?」
「出してない!!あれは、、リーンが、、、」
ゴニョゴニョと口淀む。
そして酒を飲まされ、宇髄にあの夜のことを一切合切話してしまうのであった。