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死神の華【鬼滅の刃】

第3章 死神と藤襲山


杏寿郎side


そして現在。

頭を抱えている俺。そうだ、宇髄が手を出せとか煽るからだ!
リーンは俺に気があるとかちょっと調子のいいことを言うからその通りだと勘違いしてしまった。不甲斐ない!!

(だが、リーンの肌はすごく綺麗だった…白く柔肌で…程よく引き締まったしなやかな筋肉だったな…)
先ほどまで触れていた柊の体を思い浮かべる。
(いやいや!何を考えているんだ!そんな破廉恥な!)

ふーっと深呼吸して煩悩を消し散らすと台所から呼ぶ可愛い弟の元へと向かう。









「半端な時間に風呂を頂いてしまってすまない」
そう戻ってきたリーン。
髪は下ろされ流している。まだしっとりと濡れている様子が艶かしい。
浴衣は母のもので薄い桃色の生地に淡い朝顔の柄だ。
ゆったりと着流していてなんとも妖艶だ。

そういえば女性物を身に付けてる姿は初めてかもしれん。
(っっん?!よもや今日はサラシを巻いてないのではっ?!!)

胸元に目を向けるといつもはない膨らみがある。
とても美しく、目を奪われていると
横から父に「見過ぎだバカもん」と一喝される。

父上にはお見通しなのか、、恥ずかしい。

「リーンさん簡単な物ですが、召し上がってください」
千寿郎が用意したものはかやく飯に南瓜の煮物。そして鶏肉を甘辛く焼いたテリヤキというものだ。

「ありがとう千寿郎。」
いただきますと言ってぱくぱくと食べ始めるリーンを黙って見つめる杏寿郎。

その懐にはお館様からの手紙が入っている。


リーンが風呂に入っている間、要が手紙を一通運んできた。

内容はリーンの選抜合格の労いの言葉。
そして、日輪刀と隊服が届き次第、胡蝶と冨岡とともにお館様の元で顔合わせ。その後稀血の研究のため蝶屋敷に数日滞在ののち、水柱邸。つまりは冨岡の元に引っ越す。と言った話だった。

まさしく宇髄の言う通りになってしまった。
だがそんな事は関係ない。リーンが、、彼女が自分自身に更なる力を身につけるためだ。
笑顔で見送らなければ!

この気持ちは鬼殺隊には必要ない。そう思い、溢れる気持ちに蓋をする。



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