• テキストサイズ

死神の華【鬼滅の刃】

第3章 死神と藤襲山


杏寿郎side

久方ぶりのリーンだ。これでもかと抱きしめる。だが、
だめだと言わんばかりにぐいぐいと押しやられ拒絶される。
何故だ?今まで拒否されたことなんて一度もないのに。
「杏寿郎、だめ。10日近く風呂に入ってないのだ。汗の臭いや砂埃で汚れている。私だって杏寿郎を抱きたいのは山々なんだ。」
そう照れながら理由を話す柊に悶絶する杏寿郎。

(ん゛ー!!愛いっっっ!!!)
『抱きたい』その言葉の破壊力。おそらく彼女の『抱きたい』は抱擁の事だろう。だが言葉運び一つ違うだけで意味合いが変わる。大きく。

ふと少し乱れた着物の合わせから見えた赤い筋が目に映る。
「リーン、これは、、?」
鎖骨の少し上に切り傷程ではないが赤くみみず腫れのような傷がある。
「あぁ、おそらく山で食料を探している時に枝か何かが掠めたのだろう。血はででないから安心しろ」

それでもじーっとその傷を見つめる。
「………他に傷は?」
「ないと思うが。」
「綺麗なリーンの肌に傷をつけるなどリーン自身であっても許される事ではない!!」
「は?」
ガシッと両肩を掴み、ぐわっと目を見開いて熱弁する。
自分でも何を言っているのかわからない。鍛錬と称して竹刀でリーンに対してめった打ちしていた男の言う台詞ではない。

だが、俺の知らない場所で知らないうちに傷を作るなんて考えたくない。そう思ったらそのあとは衝動的だった。

「リーン!脱げ!他に傷がないか確認する!」
ポカンと俺を見たリーンだったが、ため息をつくとスルッと帯紐を緩める。
そしてすとんと袴が下に落ちた。

その光景を見て一瞬我に返ったが時すでに遅し、リーンは背中を向けて長着もするりと脱ぎ落とした。

ーーーーゴクリーーーー

喉が鳴る。

/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp