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死神の華【鬼滅の刃】

第3章 死神と藤襲山


帰り道は行きよりも少し時間がかかった。
藤襲山を朝に出て煉獄家の街に着いたのは翌日の昼過ぎ。

死神の頃とは違う疲労感が柊を襲う。


最後の曲がり角を抜けたら煉獄家だ。

ーーーカランーーー

棒切れの転がる音とともに

「リーンさんっっ!!!」

千寿郎の声だ。表を掃いていたらしい。箒を落とし、そしてそのままこちらに向かって走り出し、ガシッと抱きつかれる。

「、、う、、ご、無事、で何より、です、、!!」
目に涙をたっぷり浮かべ労いの言葉をかけてくれる千寿郎。

よしよしと頭を撫でて
「心配かけたな、千寿郎。見ての通り怪我もない。」
この世界でできた新しい可愛い弟がグスグスと泣いてるのをあやしていると
戸口の方からもう1人の会いたかった人がが現れる

「おかえり、リーン。」
「ただいま、杏寿郎。」





久しぶりの煉獄家に入り、居間を通ると槙寿郎が座っていた。どうやら新聞を読んでいたらしいが。
「ただいま、槙寿郎。無事合格した」
そう簡潔に挨拶を交わすと、
「ふん。当たり前だ。この俺が稽古をつけたんだ。死んで帰ってきたら殺しに行っていた。」
なんとも可愛くない。だが、
「槙寿郎、新聞、逆さまだぞ。」
あ。
やはり心配は心配だったのだ。天邪鬼というか素直じゃないというか、槙寿郎は本当に不器用だ。
クスクス笑いながら柊は家の奥にある自室に向かう。




部屋から清潔な服を取ると居間に戻り、杏寿郎に声をかける。
「すまないが先に風呂を頂きたいのだが。」
千寿郎は帰宅した柊のために遅れた昼食の用意をしてくれている。
家主に許可を貰おうと声をかけたが
「すぐに用意をしよう!」
杏寿郎が立ち上がる。

「いや、いい!自分でする。」断ろうとしても
「疲れているだろう」「こんな時くらい甘えろ」
そんな問答をしてる間に2人で風呂場まで来た。

「朝稽古の後に入ったんだ。まだ湯が残っている。だからガスを焚けばすぐにあったまるだろう。」

湯が沸くのを待っている。が、杏寿郎はその場から動こうとしない。
「杏寿郎?どうした?」
そう聞くやいなやぎゅっと抱きしめられる。

「リーン!!良かった!!本当に!!」




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