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死神の華【鬼滅の刃】

第3章 死神と藤襲山


始解の三の舞は目には見えない氷の華の花粉が漂い相手の体内に入り込む。そして内部から氷漬けにしていく力だ。
甘い風蘭の香りを嗅いだら最後。鬼に効くかはしらんがな。

氷の像ができればそのまま砕いて終い。だが再生能力がある鬼を砕いてしまっては氷が溶けやすくなるだけだ。
標高の高い藤襲山なら気温も低い。これから真夏に入るが2ヶ月ほどはこのまま凍ったままになるだろう。

あたりを見渡すと被害に遭った子どもたちが無惨にも転がっている。
あちこち食い散らかしたのだろう四肢がなかったり内臓だけ喰ったりとまさしく地獄絵図だ。

「これが鬼、、。」










夜明けが近い時間。
(こんなもんか、、。)

汗や土にまみれた柊は目の前にある6つの墓の前に膝をつく。
「こんな質素な墓ですまない。君たち6人を抱えて山を下りるのはいささか骨が折れる」

埋めた遺体の上に手頃な石を置いただけの墓だったが、近くに捩花(ネジバナ)が咲いていたのでそれを墓に供える。

「捩花の花言葉は『思慕』。君たちの想いは私がこれから背負っていく。だから、、ゆっくり眠ってくれ。、、、すまない。こう言うのは苦手だ、、。」

1人苦笑いで手を合わせる。

さぁ夜明けだ。柊は最初の集合場所に向かう。








生き残ったのはわずか7名。良かった、あの時手鬼から逃した少年もいる。
「皆様お疲れ様でした。これで今いる方たちは鬼殺隊として認められました。」

それから鎹鴉、隊服、玉鋼を選んだのち解散となる。


柊はその場に止まり少女らに声をかける。

「これは山の中で死んだ少年少女たちの遺品だ。遺体は持ってこれないのでその場に埋めた。名前も知らんが丁重に供養してほしい。」

「リーン様ですね。誠に感謝いたします。」少し驚いた様子の双子?のような2人の少女に埋めた6人の遺品を手渡す。
遺品は着ていた帯紐だったり髪留めや凝った刀を持っていた子は鍔を取り外した。

大事に受け取る様子を見るとこの子達もこんな選抜内容は心苦しいのだろう。20人以上いた人間が半分以上死んでしまった事実を突きつけられるのはこの子達だ。
ぽんっと頭を撫でる。
「え?あの、、。リーン様、、?」
と驚いた様子。
「君たちもよく頑張ったな。このお勤めも辛かろう。」
ー初めてかけられた言葉だった。
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