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死神の華【鬼滅の刃】

第3章 死神と藤襲山


最後の夜を迎える。
体力的に余裕はあるが他の子どもたちの様子も気になる。助けられるのなら助けよう。そもそもこの場を動かないのは体力を考慮したからであって今夜で終わりなら動いても問題ない。それにこの選抜に参加する他の人間の実力も見ておきたいと思ったからだ。

ついでに何か木の実でもあれば御の字だ。

そんな気軽な考えで歩き出した。


藤襲山に入ってから斬った鬼4体とは明らかに違う鬼の気配を感じた。

急いでその気配をたどり着いた時にはもう何人かの子どもが犠牲になっていた。
そいつはいくつもの手がその体に巻き付いており、体も相当大きい。
異形な手の鬼だ。

そしてその中の一つの手の中にまだ息がある少年の姿が見えた。
ーーーザシューーー

手を切り落とし、少年を抱き抱え元の位置に戻る。

「おんやぁぁ??ひっひっひっ。なかなかすばしっこい餌が来たなぁぁ」
ゾワリ。今まで見てきた鬼は餌である人間を見かけると獣のように考え無しに飛び込んでくるだけだった。
だがこの手鬼は知性があるようだ。知性があると言う事はその分人間を何人喰ったのか。考えるだけでおぞましい。

「すまない。この中に薬が入ってる。自分で応急手当てできるか?動けるならここから離れてくれ。」
助けた少年に薬が入っている巾着を手渡し、コクコクと首を頷いたのを確認しこの場から逃す。


「まだ食事の途中だぁぁ!」その言葉と共に伸びた手が少年に向かう。
だがそれも一瞬、ゴトリーーーー。

柊の斬魄刀が手を切り落とす。

「あ゛あ゛あ゛!!!また切られたぁぁぁ!!なんなんだお前は!!邪魔するなぁぁ!!」
再生した手が柊を狙う。だがその手も次々と切り落としていく。
「ひっひっひー。その刀。日輪刀ではないなぁぁ??知らないのかぁぁ?その刀では鬼の頸は斬れんぞぉぉ??」
「よく喋る鬼だ。その薄汚い声を出すな。」
耳障りな声に我慢の限界だ。

だが手鬼の言っていることも正論だ。日輪刀は持っているが脇差だ。
流石に伸びる手と脇差ではリーチの差がある。なら凍らせば良い。別に殺さなくても良いのだ。斬れば再生するが、凍らしてこの夜を越えればいいのだから。


「咲き吹雪け 氷雪の蘭 三の舞」

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