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死神の華【鬼滅の刃】

第3章 死神と藤襲山


杏寿郎side

テキパキと布団を敷くリーンを横目に俺の心情はどうしたものかと悩まされる。
前にも一緒に寝たが、あの時はリーンの事を男だと思っていたし、泣き疲れたリーンが俺の襟元を離さなかったから仕方なくといった所だ。
だがもうリーンの事は女性だと認識しているし『一緒に寝よう』と宣言している。

しかも、、、、リーンが用意しているのは一つの布団のみ。

同じ部屋で寝ようと言ったわけではなく、言葉通り『一緒に』寝るらしい。

もちろんリーンに対して間違いを起こそうなんてやましい思いはないが、俺も男だ。経験こそないがそれなりに知識は持っている。
鬼殺隊の中でも助けた女性と、、なんて話も聞くし、隊士同士もあるくらいだ。
実際俺も部下から「憧れの柱と最後の思い出に!」と言い寄られた事もある。もちろん断ったが。


リーンは140年生きてきたんだ。俺よりも知識や経験も豊富なんだろう。そう思うと杏寿郎の心がチクリと痛んだ。
(なんだ、、?心臓がザワザワする、、)

「どうした?ほら、早く布団に入れ。明日は早いんだ。」
「そうだな。朝は弁当に握り飯を作ろう!」

考える事を放棄し、杏寿郎は柊がいる布団に入る。

「明日の夜は任務か?」
「あぁ少し遠い。情報収集もあるから1週間ほどかかりそうだ。だから俺もリーンが行った後に発つ予定だ。」
「そうか。」
そう言って柊は杏寿郎の方を向く。
そしてギュッと腕にからみつく。

「杏寿郎、、。こっち、、。」
そう言われると向かい合わざるを得ない。
「リーン、、。俺も男なんだ、、その、、あまりそう近づかれると、、」ゴニョゴニョと口淀む。
「杏寿郎が男なのは知ってる。性別の判断ができないのは君だろう」
ふふふと過去の過ちを掘り返す。
あ、彼女は男女のあれこれに関しては全く知らないな。そう直感する。
なら、妹か姉かそう思えばいい。そうだ。そう考えればいい。可愛い妹が明日旅立つ。だから甘えてきている。なら問題ない。

だが何を思ったか柊は更に足を絡み付かせてくる。
そして
「杏寿郎はいい匂いもするんだな。私はこの太陽みたいな匂いが好きだ。」
「ん゛ん゛ん゛っ!!」(っっ愛いーーっ!!!!)

杏寿郎はこの夜、朝まで固まっていたとか。

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