第2章 死神と炎柱
杏寿郎side
結局父上の考えは今すぐには教えてもらえなかったが、どうしてリーンはわかったのだろうか?
聞くとリーンは馬乗りになった時に脈を測ったのだと言う。
人は嘘をつくと心拍数や脈に出るらしい。
父上はわかりやすいとの事。
リーンのお陰で少し父上に近づけたようだ。
「だがリーン、煽るためとはいえ流石に俺に対してクソ餓鬼はないだろう。喧嘩の度にあんな言い方してるのか?敵を作るだけだぞ。あと呼び捨てはどうがと思うが。」
「すまない、クソは余計だったか?まぁ40数年しか生きてないからなまだまだ私にとって槙寿郎もガキンチョだよ。」
そう話すリーンに俺は慌てて止める。もうすでに遅いが。
「リーン!!その話は!」
どう言う事だ?と詰め寄る父上にはもう観念するしかない。
「実はーーーー」
これまでのリーンの事を父と弟に全て話す。
「驚きました。そんな物語のような話があるのですね。でもリーンさんの不思議な雰囲気というか空気が澄んでるように感じるのはそれが理由なのでしょうか?」
「千寿郎もそう思うか!リーンのそばにいると心が温かくなって心拍数が上がるのだ!」
「お前、それは、、」
何やら千寿郎と父上がやれやれといった様子でため息をつく。
俺とリーンは顔を見合わせて首を傾げる。
「まぁいい。俺より年上なのはわかった。だが世間体として外ではあまり俺のことを呼び捨てにしてくれるな。変な関係だと噂されるのも困るからな。」
少なくとも身内の中なら好きにしろという感じだ。
「今日は2人とも泊まるのだろう?稀血がこの時間に外を彷徨くと迷惑だ。というよりも、そもそもうちに寄ったのはなんだ?まさか俺に喧嘩を売りに来た訳じゃないだろう。」
父上も人が悪い。リーンが言う『イイ性格』なんだろうな。
本来の目的を父上に伝えると、
「なぜリーンにお前のお下がりなんかを!」
「千寿郎にも言われましたが何故そう駄目なんですか?生地だってしっかりしてる物で少しデザインが古いかもしれないが帯を変たり工夫すればまだまだ着れます!」
「そう言うことじゃない!何故!女性であるリーンに男のお前のお下がりを渡すんだと言っている!!」
は、、?女、、性、、?