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死神の華【鬼滅の刃】

第2章 死神と炎柱


「父上が帰ってきたみたいですね。」
杏寿郎と千寿郎から緊張感が伝わってくる。

大きな足音がこちらに近づいてくる。
ーーガラッーーー

居間の戸が引かれた。
「なんだ。帰ってきていたのか。鬼殺隊なんぞ辞めてきたのか?」
冷たい言い草だったがいつもの事だと杏寿郎は気にしてない風だ。
「いえ、今日は必要な荷物を取りに来ただけです。」
「、、、誰だそいつは?」
杏寿郎の答えには興味がないようで、私に視線を向ける。
「彼は、、」そう杏寿郎が私のことを伝えようとしたが、それを制する。
「初めまして。本日は突然の訪問失礼いたします。家主の許可なく敷居を跨いでしまったことお詫びします。
現在ご長男、杏寿郎殿の元で鬼殺隊としての技術を学ぶため指導を受けさせていただいております。リーンと申します。」
深々と手をつき槙寿郎に挨拶をする。
「ふん。どーでもいい。鬼殺隊などどうせ皆死ぬ。お前も、お前も。」杏寿郎と私に向けて指を刺してくる。
その言葉を受け、私は槙寿郎の目を見据える。
「なんだ?どうせ俺もお前も何者にもなれはしないんだ。リーンと言ったか?剣士なんて辞めてしまえ。過去になにがあったが知らんが鬼狩りになんてならなくともお前のその顔と体があればそれなりに生きていけるだろう。
それとも何か?杏寿郎とはもう寝たのか?杏寿郎、柱になったからと言って色事にのめり込むなよ。」
言いたい事を言って居間を後にしようとする槙寿郎に
「待て」
柊は声をかける。
その言葉に杏寿郎は制する。構わないから、と。
「いや、私は構わない事にはできない!」
制しようとする杏寿郎を振り解く。
「今、、俺に『待て』と言ったのか?」
槙寿郎が怒りと共に振り返る。
「そうだ!貴様に言ったのだ槙寿郎!『どうせ死ぬ』?『何者にもなれない』?何故貴様が決めつける!杏寿郎は立派な男だ!少なくともメソメソと家で酒に溺れる貴様よりはな!」
「何も知らないガキが!!そう粋がってる奴ほど真っ先に死んでいく!!お前がそのいい見本だ!!」
怒りで震える槙寿郎。尚も煽る柊。その2人をハラハラと見守る杏寿郎と千寿郎。

「『何も知らない』?なら教えてくれまいか?何故貴様は酒に溺れる!何故鬼殺隊を辞めた!何故杏寿郎の誇りを踏み躙る!」
「「………」」
槙寿郎は答えない。杏寿郎も知りたいのだ。真実を。
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