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死神の華【鬼滅の刃】

第19章 死神と新年


「ああ。毎年あいつは正月明けの落ち着いた頃に顔を出している。クソがつくほど真面目だからな。休みだと言うのに正月も管轄を見回ってるからな。だから今夜はお前と杏寿郎2人だ。その…なんだ。いつも手加減したり声を抑えてるようだが、、正月くらい羽目を外させてやろうかと思ってな。」

槙寿郎が口淀みながら話す様子に柊は頭に疑問を浮かべる。

「ん?なんの話だ?」

「あとは杏寿郎に聞け。それでは行ってくる。」

「あっ!居たいた!柊さん、お重におせちを用意してますので、兄上と召し上がってくださいね。それでは留守をお願いします。行って参ります!」

「行ってらっしゃい。」

柊は2人を見送ると鍛錬の続きを始める。


夕方になる前に杏寿郎が仮眠から起きたようで居間に現れる。

居間で新聞を読んでいた柊は杏寿郎に気づくと新聞を戻し話しかける。

「千寿郎がおせちを作ってくれている。食べるか?」
「食べる。が...千寿郎は?父上も...出かけたのか?」
「ん?2人とも瑠火殿の生家へ行くといっていたぞ?来年の恒例だと言っていたが...。」

「いや、母上が亡くなってから正月に行くことはない。命日には顔を見せていたが…。父上は他にはなんと?」

「帰りは明日の昼過ぎになる。たまには羽目を外せ。だと。」
「!!!……そうか…。父上め…余計なお節介を…。」

「…??」

柊が疑問に思っていると杏寿郎は心配させまいと笑顔で柊の肩に手を置きぽんぽんと叩く。

「なんでもない!さっ、千寿郎のおせちを食べよう!!」

柊と杏寿郎は千寿郎が作ったおせちに舌鼓を打つ。

「うまい!!うまい!!うまい!!」

柊は美味しそうに食べる杏寿郎を穏やかな顔で見守る。

「今夜は任務はないのか?」
「ああ、流石に年末から不眠不休だからな。それに初詣を狙って現れた鬼は今年は総勢200体近く斬ったそうだ。しばらくは落ち着くだろう。だが今年も上弦の鬼は現れなかった。」

「…そうか…。だが、無惨はまた鬼を増やすんだろうな…。」
「柊…そんな顔をするな!今年こそ!無惨を倒し、平和な世にしてみせる!!」
「そうだな…。」
柊はニコッと笑みをこぼす。
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