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死神の華【鬼滅の刃】

第18章 死神と豪華客船


「何やら思い詰めてるようだが俺がいる。君もちゃんと生きてる!柊、せっかく練習したんだ。一曲踊りませんか?」

杏寿郎が腰を折り、手を差し出してダンスに誘うポーズをとる。

柊がおずおずとその手を取ると杏寿郎はぐいっと引っ張り柊を抱き上げくるっと一回転すると床に降ろす。

「柊!今は踊ろう!」ニカッと笑う杏寿郎に柊はその笑顔で元気をもらう。

「ああ…。ありがとう。杏寿郎がいてくれて本当に救われたよ。」


甲板で踊る2人を窓からそっと見守る天元。
「やっぱ煉獄には敵わねえなぁ…。」
柊に何かがあったらしいのはネズミからの報告で知っていた。だが天元は柊になんて声をかけていいのか分からずにいたのだ。
(気にすんな。違う、大丈夫か?。これも違う、次頑張れ。あー!くそっ!)

「姫さんの心を救えるのは煉獄だけかぁ…。」
誰に聞こえるわけもなく天元は1人ごちると後処理を始める。






夜の10時になると時刻通り港に戻ってきた。
柊は後藤が迎えにきた自動車に乗り込むとすぐに眠りについた。

「珍しいっすね!リーンが無防備に寝るなんて。」
「ああ、船で何かあったみたいだ。俺は…守れなかったのだろうか…。」
杏寿郎が悔しそうに手を握る。

「でも怪我もないみたいだし、無事ならよかったじゃないですか?」
「そうだな。だが…心の傷はどうしようもない。」
「…。」
後藤は答えることが出来なかった。
(柱っつっても普通の人間なんだよなぁ。)






天元は着港と同時に船を降り、すでに自分の足で帰宅したようだ。

柊と杏寿郎を載せた自動車は深夜をまわったころ煉獄家に到着した。

杏寿郎は眠る柊を優しく抱き上げると後藤に礼をし、自分の寝室へと向かう。

柊のドレスを脱がせ、寝巻きを簡単に巻きつけ、杏寿郎もタキシードを脱ぎ捨てると一緒の布団に入る。

「柊、いい夢を。」
ちゅっと頬に口付けると柊を抱きしめて杏寿郎も眠りについた。



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