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死神の華【鬼滅の刃】

第18章 死神と豪華客船


パーティ会場で参加者との会話や動きに不自然さがないかを確認しつつ鬼の気配を探る。

稀に鬼に脅されたり、操られたりして協力する人間もいるのだ。
(今のところ鬼の気配も様子がおかしいところもないな。)

杏寿郎と柊は二手に分かれてそれぞれ情報を集める。
と言っても上流階級が集まるこの会場で柊に知り合いがいるはずもなく、壁の花になり参加者同士の会話や動きを確認する。

「失礼、お嬢さん。とてもお美しいですね。よかったら向こうでお話ししませんか?」
柊に話しかけてきたのは20代半ばのすらっとした爽やかな男だ。

彼が向こうで。と言うのはボックス席で、ゆったりと座れる2人掛けのソファが2つテーブルを挟んで半個室のように用意されているところだ。
こういうパーティではお見合いとまでは行かないが配偶者を探す目的も兼ねているので年頃の男女は積極的に声を掛け合ったりしている。
もちろん柊にそんな事に全く興味はない。だが、柊に声を掛けてきたのは彼だけではない、杏寿郎と少し離れただけで次々と声をかけられている。断りたいが、これ以上壁の花になり続けても目立ってしまう。
柊は仕方なしに彼の誘いに乗る事にする。

「ええ。是非そうさせて頂こうかしら。」
柊はにっこりと作った笑みを浮かべると彼の手を取りボックス席へと向かう。
途中、ウェイターに扮する天元を呼び、アルコール抜きの飲み物を席に運ぶようにお願いする。

「柊さん…だったよね?お酒は?飲まないの?」
「ええ、あまり強くなくて…酔って煉獄様にご迷惑をお掛けするわけにはいきませんから。」

これは半分本当だ。というのもこの世界に来て酒を飲んだことがない。死神の世界では霊体のため『酔う』という概念がほとんどない。それでも飲むやつはいたが酒を飲んでる自分に酔ってるようなものだ。自分が酒に強いか弱いかもわからない。そんな状態で任務なんてできるはずもないので天元に飲み物は用意してもらっていた。

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