第17章 死神と潜入捜査
どうやら前田も御館様からドレスとタキシードを頼まれていたようですぐに用意できた。
試着してみると全て柊の体のサイズピッタリだった。
「私くらいになると女性を見るだけで服越しでも3サイズ当てれるんですよ。フフ」
「聞いてないが…。」
白い目で見ると余計に喜ぶ気がするので無視する事にする。
「しかし、これは肌を出し過ぎではないか?あと、背中が開いてるのは却下だな。」
「えー!どうしてですか!このラインがいいんですよ!」
「…私は背中にひどい火傷の跡がある。人に見せられるような物ではない。」
「あ、すいません…。」
「ふふ、気にするな。前田でも潮らしくなる事もあるんだな。」
「では次っ!とっておきです!これ着てください!」
そう言って出した物はドレスなのにほとんどが真珠のような物で覆われており、布なんてほとんどない、大事な部分を真珠で隠しているが少しズレただけで丸見えになりそうななんともいかがわしいドレスだった。
鼻息を荒くし、キラキラとこちらを見る前田に柊は少しでも彼を褒めた事を後悔する。
「……。杏寿郎!!天元!!」
柊が怒っても前田のご褒美になるだけだと悟った柊は番犬を召喚する。
「「どうした?」」2人が部屋に入ると柊は無言で問題のドレスを手渡した。
天元がドレスを広げて見ると、2人とも目をギョッとさせる。
プルプルと震える握った拳。
「「ま〜え〜だ〜〜〜!!!」」
「いや、ほんの、冗談でして…。」
あははと冷や汗を滝のように流しながら後ずさる前田。
そして前田が逃げ出すとそれを柱2人が追いかけるという奇妙な光景が出来上がる。
前田、意外と素早いなぁ。
ふと最後のドレスを柊が手に取る。
燃えるような深い赤い色で形はマーメイドドレスだ。
太ももまでの深いスリットがザックリはいっている。
袖は無く首まで伸びたハイネック、背中から首もレースだがちゃんと覆われていて胸元は谷間の部分が露わになっている。だが不思議と下品に見えない。おそらくハイネックがそう思わせてるのかもしれない。
腰のあたりにもスリットが入っていて腰のくびれをさらに強調させるデザインだ。