第17章 死神と潜入捜査
自信満々にキラキラと話す天元に柊は
「そうだな、君ほどの体格の良い日本人、しかもその美貌だ。目立っては身動きが取れなくなってしまう。裏方なのは仕方ないな。」
納得して肯定する始末。
「柊ちゃん?今のツッコむところ。」
柊が正面から天元のことを褒めるのは珍しく天元は調子狂うなぁと言いながらポリポリと頭を掻く。
「なら私は1人でパーティへ?女1人だと悪目立ちしないか?」
「もう1人招待状をもらってるやつがいるのを忘れんなよ?産屋敷家は古くから日本を支えてきた。その次にこの鬼殺隊を支えてきた御家様を忘れたかぁ?」
柊は「ふむ…。」と考える。
(鬼殺隊の歴史が古く、御家自体が由緒ある…そして気品があって顔や体に傷がない……)
「まさか…!」
ニヤっと天元が笑う。
ーーバシッーー襖の扉が開く
「遅くなってすまない!む?柊と宇髄!君たちが今回の潜入捜査のメンバーかっ!!」
「杏寿郎!」柊はいつも通り杏寿郎に飛びつき抱きつく。
「潜入捜査っつーんだから声落とせバカっ!」
煉獄家はそれなりに名を持つ家だと言うのは知っていたが、政府の外交パーティに招待状がくるほどとは驚いた。
「父上が現役の若い頃はよく夜会なんかにも出ていたらしい!」
煉獄家には親戚が多数いて、『煉獄』の名を持つのはもう3人だけだが、近しいところでは議員を勤めている方もいるとか。
「本来この招待状は父上に送られてきた物だが、長男の俺でも構わんだろう!」
「杏寿郎は外国語はできるのか?」柊が問うと
「いや、全くもってサッパリだ!」わはははと笑う。
天元と柊は顔を見合わせため息をつく。
((心配しかない。人選ミスだろ。))
「まぁこの際言葉の壁くらい構わねえ!俺様が考えた作戦を言うぞ。」
柊と杏寿郎は天元の話に耳を傾ける。
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「前田…。あの隊服の時はどうかと思ったがこれは良いじゃないか!君、洋裁の方が性に合ってるのではないか?」
パーティで着る為のドレスをどうするかと考えていたらどこからともなく前田が現れて「お任せをっ!」そう言って数着のドレスを柊の前に持ってきた。