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死神の華【鬼滅の刃】

第14章 死神と憂鬱


「なら下男だな。今の時代はどうかわからんが、男でも家事ができる者はいるだろう。」

「下男…。男か…。それもあり…、だが柊もいるし…。」

「なんだ?私のことを女として気遣ってくれているのか?それなら無用だ。」
クスクスと柊が笑うと槙寿朗はフンとそっぽを向く。

「別にお前だけを気にかけてる訳ではない!杏寿郎はまだしも千寿郎はまだ子どもだ。男といえどよからぬ事を考えるやつもいるかもしれんからな!」

槙寿朗が言い切ると柊は耐えられなくなり腹を抱えて笑い出す。

「…っくっ、ふふふっ…、あははははっ!なんだそれっ…、もうそれは杏寿郎の事も、千寿郎の事も可愛くて仕方ない俺の大事な息子だと言ってるようなものだぞ!」

涙を浮かべ笑う柊に槙寿朗は顔を赤く染めて否定する。

「っんなっ!!違うっ!そんな事一言も言ってないだろっ!!」

「はいはい。そうですね。言ってませんがしっかり伝わりました。私から2人に伝えておこう。では下男の件、あ、心配だからやはり女性の方がいいのか?それについては槙寿朗に任せる、ではまた後で。」

言いたいことだけ言ってさっさと出ていった柊に何もいえず頭を抱える槙寿朗の姿は誰も知らない。

ーーーーーーーーーー

庭に出ると隊士たちが整列し柊を待ち構えていたようで。

「「「先ほどは申し訳ございませんでした!!!」」」

口を揃えて謝罪してきたので

「私に謝るより千寿郎に感謝を伝えた事…ある?」

絶対零度の微笑みで返すとまたしても悲鳴を上げ千寿郎の元へと走っていった。

「剣術よりもまずは礼儀を叩き込まないと駄目ではないか。」

そう独り言を呟くと、

「それは耳が痛いな!だがその通りだ!鬼舞辻無惨を倒した平和な世になればそれこそ礼儀がなければ生きていけないからな!」

独り言に返事が返ってきた。だがそれよりもその声の主に柊は嬉しくて心が跳ねる。

「杏寿郎!!」

誰かを確認するまでもなく柊は後らに立つ人物に抱きつく。

「おかえり!杏寿郎。」

「うむ。だが、それはこちらのセリフだ。おかえり、柊。」

杏寿郎は柊の腰に手を当て、高く持ち上げるとそのまま抱きすくめる。

「「ただいま。」」声が揃い、また笑う2人。






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