• テキストサイズ

死神の華【鬼滅の刃】

第1章 死神と鬼狩り


そうだ、、私は幼い頃泣いていたな。そして泣く事、痛みを感じる事を無くしたんだ。自分を守るために。

夢の中の幼い自分を思い出しながら覚醒する。目を開くとそこには杏寿郎の顔が真正面にしかも近いっ!

「んなっ!」
思わず声が出そうになる。がグッと堪える。
冷静に考えると杏寿郎が昨日今日出会った人間に無体を働くとは思えない。
そうだ、昨夜は思わず泣いてしまったんだ。
そしてそのまま寝てしまったんだな。ここまで運んでくれたのは杏寿郎だろう。そして、、あぁ襟元を掴んで離さなかったのは私の方だな。無理に外そうとせずそのままにしてくれたのだろう。
杏寿郎のそばにいるとなんというか心が暖まる。

柊は再度杏寿郎の襟元に顔をうずめて目を瞑り、スリっと頬を寄せる。

(ん゛ん゛っ!よもや!なんだこの愛い者は!!)
柊の第一声と共に起きていた杏寿郎は目を瞑りながらも自分の胸元でぼーっと思考を巡らせている様子を感じ取っていた。

泣き疲れて眠ったといえ大の大人が男同士抱き合って眠るのはいかがな物かと、先に起きて離れてくれればその後何食わぬ顔をして今起きたように誤魔化そうと考えていた杏寿郎だったが当てが外れたようだ。
まさか更に顔を寄せて擦り寄ってくるなんて思いもしなかった。

ぎゅっと抱きしめてしまいたい感情を抑え込み杏寿郎らピクッと腕を動かす。

その動きを感じて柊はゆっくりと起き上がる。
「杏寿郎、、ありがとう。一晩中私をあやしてくれていたんだろう?」
少し掠れた声に杏寿郎は閉じていた目を開ける。
「俺にできる事と言えばこれくらいだからな。声が少し枯れたか?目も腫れてしまったな。飲み水と冷やした手拭いを持ってこよう。」
立ち上がろうとする杏寿郎の手を掴み、自分でする。と声をかけるが

頭にポンっと手を乗せて
「いいから。リーンはゆっくり待っていなさい。」
「なっ!子ども扱いしないでいただきたい!」
そう抗議するが、すまん!俺には弟がいてなつい!なんて笑いながら部屋を出て行った。
「弟、、私、100歳以上歳上なんだが、、。」

だがそんな杏寿郎に対して全く嫌悪感なんてものはなく、むしろこんな掛け合いの会話なんて初めての事が心地よく嬉しいと感じている柊だった。



/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp