第11章 死神と熱
しばらく絶対安静!!
そう言われて柊は小さめの個室に移された。
疲れが溜まっていたらしいのでまずは熱を下げ、栄養たっぷりの食事と睡眠休息だとベッドに寝かされる。
元凶の3人からはしっかりと謝罪を貰ったが、お互い様だと笑い合った。帰り際ちゃっかりキスも忘れなかったが。
次に目が覚めたのは夕方近い時間だった。
寝汗もかいたのだろう浴衣が肌に張り付いて気持ち悪い。
厠にも行きたかったのでゆっくりとベッドから降りる。
その時、カナヲが様子を見に来てくれたのだろう顔を覗かせてくれた。
「カナヲ。久しぶりだな。」
カナヲの手には水を張った桶が握られていた。
「看病をしてくれていたのか?ありがとう。」
そうにっこり笑いかけると照れたように顔を背ける。
「どこいくの?」
「厠に。あと、着替えも貰えると助かる。汗で気持ち悪いんだ。」
「1人で大丈夫?」心配そうに顔を覗き込んでくる。
「それくらい大丈夫だ。着替えを頼めるか?」
こくりと頷くと桶をベッド脇のテーブルに置き、そそくさと部屋を飛び出して行った。
厠から病室に戻るとカナヲが服を持って待っていた。
桶が2つに増えていて、それは?と聞くと体を拭くお湯だと言う。
浴衣を脱ぐと前開きの上下に分かれた入院着に袖を通す。
ベッドに座るとその後ろにカナヲが座る。
お湯が張った桶に手拭いを浸すと固く絞って服の下の隙間から手を入れて柊の背中を優しく拭いていく。
「熱くない?」
「あぁ、ちょうどいい。気持ちいいよ。」
背中、首、脇ら腕と丁寧に拭いていく。
前にも手を入れようとしたので、「そこは自分でするから。」と断ろうとするが、フルフルと首を振るのでカナヲに任せることにした。
ゆっくりと手が中に入ってきて胸にやんわりとカナヲの手が触れる。
「んっ…。カナヲ…。」
触れるか触れないくらいの優しすぎる手の触感にゾワゾワと柊の体が反応する。
「ごめんなさい…。これくらい?」
少し強めに力を入れると
「っひぁっ…。」
カナヲは柊の反応に顔を赤くする。
やわやわと自分とは大きさの違う胸を執拗に手拭い越しに触っていくカナヲ。
「ンふぁっ…っやぁっ…あんっ…!」
その時しのぶが部屋に入ってくる。
「カナヲ?そろそろ柊さんを離してあげましょうね?」