第11章 死神と熱
「柊!気がついたんですね!心配しました。」
「すまない…。色々心配させてしまった…。」
柊の『色々』と言うのは熱もそうだが、性行為についてだと理解するとしのぶは顔を真っ赤にして「っ!…聞いてたんですか?//」と恥ずかしそうに手で顔を隠す。
男3人も柊に近づき、目が覚めた柊を見てホッと安心する。
「柊さん。大事な問診がありました。最後に月のものが来たのはいつですか?」
しのぶは柊が3人と行為をした現実を受け入れ、万が一の事を考え質問を投げかける。
「月のもの?とはなんだ?」
柊の答えにしのぶと天元は驚きを隠せなくなり動揺する。
杏寿郎と義勇は柊と同じく「?なんだ?」と首を傾げている。
煉獄家は男ばかり、義勇も男の一人暮らしが長い。
天元は嫁が3人もいるのでそれぞれの反応はその通りだった。
だが柊は女性で実年齢は140越えだが、見た目だけで言うと年頃の20近い。月のものがないなんて普通ではあり得ない。
「月に一度、女性器から血が出るんです。それは赤ちゃんを授かる準備のようなものなんです。…本当に今までないんですか?」
「ない。」
「……。」
しのぶが少し考え込むと
「柊さんの1度目は8歳でしたよね?」
そこまで言うとしのぶは天元の方を見て言い淀む。
「姫さんの事は聞いてる。異世界の事も死神の事も。」
「なら続けます。おそらく柊さんは8歳で体の成長が止まってます。」
「だがどう見ても8歳ではないぞ。」
「勿論そうです。見た目ではなく、中です。柊さん、死神の世界で新たな命は産まれますか?」
「いや、聞いた事はない。少なくとも流魂街出身では。貴族は産まれるそうだが。そもそも魂の成り立ちが違うと聞いた。」
「つまり、死神としての筋力や体格を維持するためにゆっくりと成長はしていますが、根本的な体の造りは8歳のままです。女性の初潮は大体12歳が平均です。」
「つまり、あと4年して初潮がなければ私は人間ではなく死神のまま。初潮が来ればこの世界で歳を取って生きていける。と言う事か?」
こくりと頷くしのぶに
「そうか…。その4年後に私の生きる指針が決まるな。」
力なく笑う柊に誰も声をかけれずにいた。