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死神の華【鬼滅の刃】

第10章 死神と炎の音


昼食を簡単に済ませると柊は天元に異世界から来たことを打ち明ける。
「へぇ。マジで死神なの。」
「軽いな君は。」
適当な相槌を打つ天元に思わず杏寿郎がつっこむ。

「でも今は鬼殺隊のリーン柊ちゃんだろ?過去がどうのって関係ねぇよ。要は姫さんがこれからこの世界でどう生きていくかって事だ。派手に生きりゃいいんだよ、派手に。」

「うむ!宇髄の言う通りだな!君は過去に囚われている。『リーン』の事に関しては特に。君はもっと人に愛されるべきだ。自信を持て柊!君は可愛い!俺は君を愛してる!」

「っなっ!!ちょっと杏寿郎っ!!恥ずかしいだろう…///」

ストレートな杏寿郎の物言いに思わず赤面する。

「…だが、ありがとう…。杏寿郎に出会えて良かった。」
杏寿郎の手を握り、柔らかい笑みを浮かべる。

「…俺もいるですけどー。」不貞腐れた声で天元が物申すと

「天元、君もありがとう。友というのは良いものだな。」
柊は杏寿郎の手を離し、天元の目を見上げながら手を握る。

「…あぁ、これはヤベェわ。なぁ姫さん、派手に煉獄と3人で。ってのもありだぜ?」

「3人で?手合わせの事か?それなら午前にしただろう?というかその姫さんって呼ぶのはやめないか?私はそんな柄じゃない。」

首をコテンと傾けて思惑とは違う意味を聞いてきたと思えば、あだ名をやめてくれと照れくさそうに口を尖らせる。
初めて顔を合わせた時からまだ数時間しか経っていないが天元は柊のコロコロ変わる表情に心を奪われている。
殺気を込めた鋭い眼差し、肌を見られた羞恥心、杏寿郎を見つめる優しい瞳、過去を話す真剣な姿勢。どれもこれも天元の心を動かすには十分だった。

握られた手を逆手に取り、天元は柊を抱き寄せた。
そして耳元に甘い声で囁く。
「手合わせもいいが、3人で。ってのは、イヤラし〜く姫さんの奥に煉獄と俺が2人で触れるって事だぜ?」
耳が弱い柊は天元の低音に響く声にゾクゾクっと身を震わせている。杏寿郎よりも低く体の芯まで響く低音だった。

「…っんはぁっ…みみ…やぁっっ…。」
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