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上書きしちゃった

第11章 ほどけない指先


タ「かや……お前、ほんとに……。」

彼女の名を呼ぶキタニの声が低くなる。

その余裕ある口調の裏で、身体が確実に反応しているのが伝わった。

女は夢中で舌を這わせ、時折吸い付くように唇を閉じる。

酔いのせいで抑制が効かず、ただ甘えるように味わう。

「ん……タツヤ……。」

その声に、なとりの心臓は焼けつくように跳ねた。

な(俺……どうすれば……。)

3人の関係は、もう後戻りできない場所へと踏み込もうとしていた――。






タ「……お前、ほんと酔うと自制きかなくなってエロくなるよな。」

キタニは苦笑しながらも、眉をひそめる。

だが声の奥に呆れと同時に甘やかな愉悦が混じっていた。

「タツヤ……だって、止まんない……。」

舌を這わせながら彼を呼ぶ女の声は、完全に熱に溺れていた。

なとりはその光景を黙って見ていられなかった。

胸の奥で嫉妬と欲望がぐちゃぐちゃに混ざり合い、ついに口を開く。

な「……俺のも……舐めてよ。」

低く震える声。

女が一瞬きょとんと顔を上げると、なとりは真剣な目で見つめていた。

その視線に、女の頬がさらに熱を帯びる。

「……なとりのも?」

な「……うん。俺だけ、置いていかれるの……嫌だ。」

その言葉は嫉妬を含みつつも、どうしようもなく切実で。

女は小さく頷き、手を伸ばした。

なとりのジーンズの上から確かめるように指を這わせる。

「もう……すごい熱くなってる。」

な「当たり前でしょ……そんなの見せられて我慢できるわけない。」

彼の声が震える。

女はその上から優しく撫で、やがてボタンを外した。

布地の隙間から溢れる硬さを取り出し、見比べるように2人の間で迷う。

「……ふたりとも、こんなに……。」

酔いのせいで赤らんだ頬、潤んだ瞳。

その無邪気な言葉に、キタニは片眉を上げて笑う。
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