第11章 ほどけない指先

女の身体を抱きしめながら、なとりは呼吸を荒げていた。

深く重ねるたび、女の熱が彼を締めつけ冷静さを失わせていく。

な「……っ、やばい……こんなに、感じてもらえるなんて……幸せです。」

耳元に落とされる吐息は熱く、少し震えている。

普段なら落ち着いた声の彼が、今は余裕を失い言葉の端々に滲む焦りが露わになっていた。

女の指が彼の背に爪を立てるたび、なとりは大きく息を呑み、さらに強く腰を打ちつける。

な「……そんなふうに、しがみつかれると……もう、抑えられなくなります。」

低い声が甘く響き、女の耳を震わせた。

動きは次第に激しさを増し、互いの体温が溶け合う。

汗が混ざり合い、頬が触れ合うたびに唇を求め舌を絡めては離せなくなる。

な「……可愛いです、ほんとに……。そんな顔、僕以外に見せないでください……。」

囁きながら、彼は奥まで深く突き入れた。

女の声が高く跳ね、全身が痙攣するように震える。

なとりはその反応に酔い、もはや我慢できるはずもなかった。

な「……あぁ……もう……だめです、限界……っ。」

声が掠れ、腰の動きが不規則に荒くなる。

彼は女を抱き締める腕に力を込め、必死にその熱に身を委ねていく。

な「……かやの中で……イキたいです……。」

言葉と同時に深く、深く押し込む。

女の名を叫ぶように吐き出し、ついに抑えていたものを解き放った。

震えながら果てる瞬間、なとりの表情は幸福と苦悶が入り混じり女を強く抱きしめたまま動けなくなっていた。

な「……好きです……かやが、たまらなく好きです……。」

汗ばんだ頬を寄せ、余韻に震える身体を重ねながら彼は何度も何度も繰り返した。

果てた後もなお、離れがたいとばかりに女の髪に顔を埋め囁き続ける。

な「……僕だけを見てください……もう、誰にも渡したくないです。」

その声音には普段の落ち着いたなとりとは違う、激しい独占欲と愛情が滲んでいた。