第10章 囁きに溺れて
なとりの腕の中で、女は小さく震えていた。
触れるだけで、いつもより敏感に跳ねる。
な「……あれ?」
彼は眉をひそめるが、その目はすぐに熱を帯びて唇がわずかに綻んだ。
な「今日……いつもより、すごく感じてませんか?」
耳元でそう囁かれ、女は恥ずかしさに身をよじる。
「……ちが、うの……。」
否定しかけても、甘く痺れる感覚がそれを許さなかった。
なとりはその反応を確かめるように、さらに腰を深く押し込み動きを重ねる。
な「……ほら、やっぱり。」
喉奥で笑いを漏らしながらも、その声音には余裕がなく熱が滲んでいる。
な「どうして……今日は、こんなに……。」
彼自身も戸惑っているのが伝わる。
だが、女の身体が彼を迎え入れるたびに理性よりも歓喜が勝っていくのが隠せない。
な「……でも、嬉しいです。」
息を切らしながらも、彼は甘く囁いた。
な「僕のせいで……こんなに乱れてくれてるなら……もっと、欲しくなります。」
その言葉と同時に動きはさらに深く、強くなる。
打ち付けるたび、甘い悲鳴が零れる。
女の顔が熱に蕩け視線が合うたび、なとりはますます夢中になっていく。
な「……こんなに……乱れるかや、初めて見ます。」
熱のこもった吐息が唇を震わせる。
な「……ずっと、僕だけに見せてほしいです。」
指先は汗に濡れた肌を辿り、触れるたびに女の声を引き出す。
普段は穏やかで落ち着いた彼が今はもう冷静さを欠き、欲望に任せて求め続けている。
な「……もっと、深く……入れても良いですか。」
囁きと同時に、ぐっと奥まで引き寄せられ頭が真っ白になる。