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上書きしちゃった

第9章 拒めない衝動


その言葉に導かれるように、女の唇から漏れる声が重なり合う。

なとりはますます熱を増し、動きに力がこもる。

な「……かやの全部が欲しいんです……俺のものになってください。」

必死の告白のような声に、女の胸は強く締めつけられる。

彼の動きは優しさと荒さの間で揺れ時に深く抉るように、時に慈しむように抱き込む。

女の顔は涙に濡れ、快感と切なさでとろけていた。

な「……もう、限界です……中で、イッても良いですか……。」

耳元で掠れる声が落ちる。

女は答えられず、ただ彼の肩に爪を立てる。

な「……その反応、俺への許しですね……。」

なとりは小さく笑い、最後の力で深く突き込んだ。

「……っ……ああ……!」

身体を大きく震わせ、彼女を抱きしめたまま果てていく。

女の奥で熱が脈打ち、なとりの荒い息が首筋を濡らす。

な「……最高でした……ありがとう……。」

力尽きたように彼女の上に倒れ込み、耳元で小さく囁く。

その声は穏やかで、果てた後も彼の独占欲が消えていないのが伝わってきた。

女は涙に濡れた目を閉じ、彼の腕の中で静かに息を整えるしかなかった。




──────────────

収録スタジオは、観客の拍手とライトの眩しさで熱気に包まれていた。

女はひとりゲストとして呼ばれ、司会者の問いかけに笑顔で答えながらも、内心は緊張でいっぱいだった。

番組の進行は軽やかで、トークの合間には彼女の近況が紹介される。

観客席からは応援の声が飛び、女は頬を赤らめながらも懸命に受け答えをしていた。

M「さて、ここでサプライズゲストをお呼びしています!」

司会者がそう告げると同時に、会場の空気が一瞬で張り詰めた。

スクリーンが暗転し、舞台袖から誰かが現れる気配。

観客のざわめきが一気に高まり、拍手と歓声が巻き起こる。

M「友情出演で来ていただきました、この方です!」

照明が一際強くステージ中央を照らし出した瞬間、現れたのはキタニだった。

黒のジャケットにラフなシャツを合わせ、いつも通りの落ち着いた佇まい。

しかしその姿を見た観客席は、まるで熱を帯びたように一斉に沸き立った。

「えっ……!」

女は椅子から立ち上がりそうになるほど驚き、思わず口元を押さえた。
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