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上書きしちゃった

第8章 すれ違う吐息


タ「なぁ、やっぱり俺のことが好きなんだろ?」

「ち、違……。」

女はかろうじて否定の声を絞り出すが頬は赤く、呼吸は乱れきっていた。

なとりはもう我慢の限界だった。

な「……ふざけんな。」

女の肩を掴み、自分の方へと強く引き寄せる。

な「俺の前で、そんな顔しないで……俺にも同じのを寄越してください。」

そう言うと、彼もまた女の唇を奪った。

「……っ!」

立て続けの深いキスに、女はもはや混乱の極みに達していた。

タツヤの熱も、なとりの熱も同じように強く自分を突き動かしてくる。

なとりは必死に舌を絡め、女の口内を貪る。

その熱に女は息を乱し、目を閉じ抗うどころか吸い寄せられていった。

「……はぁ、はぁ……。」

女が荒い息をつくたびに2人の男の視線が交錯する。

火花が散るような張り詰めた空気。

2人とも、もう理性を繋ぎ止めることができなくなっていた。





なとりの唇を乱暴に受け止めながら、女はすでに足元を奪われるような感覚に支配されていた。

そのとろけた表情を横で見ていたタツヤが、ついに我慢できないといったように大きな手を伸ばす。

タ「……お前、やっぱり可愛いな。」

その低い声と共に、タツヤの掌が女の太腿をなぞる。

酒と熱気に浮かされた皮膚は敏感に反応し、女の身体がびくりと震えた。

「タツヤ、だめ……っ。」

小さな声で制止しようとしても、彼の指は止まらない。

太腿の内側へとゆっくり滑り込み、熱を帯びた肌を撫で上げる。

タ「嫌がってる声じゃねぇな。」

タツヤは唇の端をわずかに吊り上げる。

そのまま女の唇をもう1度奪い、舌を絡ませながら指先をさらに奥へと忍ばせた。

「……っあ……。」

抗えない甘い声が漏れる。

女は目をぎゅっと閉じて顔を背けたが、その頬は赤く染まり体は逃げるどころか震えているだけだった。

なとりがその光景を目の当たりにして、奥歯を強く噛みしめる。

な「やめろって言ってるんです……!」

けれどタツヤは余裕の笑みを浮かべ、女の胸元へと手を移した。

シャツ越しに形をなぞり、親指で敏感な頂を軽く弾く。

「……っん、だめ……。」

女は震えながらも、背をのけぞらせてしまう。

その反応にタツヤの目が獣のように細められた。
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