第3章 重なる夜
タ「その声が欲しかった。」
深く突き込みながら、腰を打ちつける。
余裕を保ちながらも、その動きには嫉妬に滲む激しさがあった。
女はその激しさに翻弄され、もはや声を抑えきれない。
「や……ぁ……っ、だめ……。」
だがその声すら、タツヤにとっては甘美な悦びでしかなかった。
タ「もっと啼いて。もっと俺の名前を呼んで。」
支配するような声と共に、彼はさらに深く沈んでいく。
なとりの果てた余韻の中でタツヤだけが、なお強く女を抱き嫉妬と欲望に突き動かされるまま彼女を支配していった――。
なとりが女の中で果てた直後も、タツヤの動きは止まらなかった。
むしろ、なとりが先に終わったことが彼をさらに突き動かし余裕の仮面を崩さぬまま女を支配していった。
女は既に体力を奪われ、涙に濡れた瞳を閉じることしかできない。
それでも奥深くまで沈み込むタツヤの熱に抗うように震え、掠れた声を洩らす。
「……タツヤ……っ、や……だめ……。」
その声は懇願のようでいて、甘く震えていた。
タツヤはその響きに喉を鳴らし、耳元で低く囁く。
タ「……全部、俺の中で暴かれていって。」
言葉と同時に、腰を強く打ち付ける。
女の身体が大きく跳ね、喉の奥から震える声が迸った。
「っ、あ……ぁ……!」
なとりは隣で肩を上下させながらも、その光景から目を逸らせない。
自分が果てたあとも、女を抱き締めるタツヤの余裕と支配するような眼差し。
その全てが悔しく、同時に抗えないほどの迫力を放っていた。
タツヤは女の手首をシーツに押し付け、逃げ場を奪う。
ゆっくりと、しかし容赦なく奥を突き彼女の反応を楽しむかのように動きを刻む。