第27章 また3人で
その夜は3人で遅くまで話をした。
くだらないテレビ番組を見て笑い途中で真剣な話になり、また笑って。
緊張や恐怖で張り詰めていた心が少しずつ解けていくのを感じた。
そして気づけば当たり前のように2人が両隣にいて、温かい空気に包まれていた。
(もう大丈夫)
女は心の中でそうつぶやきながら、眠気に落ちていった。
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玄関のドアが乱暴に開かれる音がして、女はソファから跳ね起きた。
「……なとり?」
息を切らした様子で駆け込んできたなとりの顔は普段の穏やかな笑みなど欠片もなく、焦燥と緊張に覆われていた。
「どうしたの、そんなに慌てて……。」
声をかけると、なとりは肩で息をしながらこちらを見つめる。
「……何かあった?」
短い沈黙の後、なとりは低い声で切り出した。
な「マネージャーから連絡が入った。……俺たちのこと、記者にバレたかもしれない。」
頭が真っ白になった。
「え……バレたって、どういうこと?」
女は息を飲み、喉が急に乾いていくのを感じた。
なとりは震える指でスマートフォンを取り出し、画面を女に見せた。
そこにはマネージャーからのメッセージが並んでいる。