第21章 揺らぐ理性
なとりの動きはキタニとは対照的に緩やかで深く、じわじわと溶かすように身体を満たしていく。
な「……ほら、力抜いて。大丈夫、全部気持ちよくしてあげるから。」
女の指先が震え、掴んでいたクッションを滑り落とす。
「ん……っ、やだ……もう……。」
口では拒むが、吐息は甘く乱れている。
なとりはそんな女の耳朶を噛み、吐息混じりに囁いた。
な「否定しても……身体は正直だよ。俺には全部わかる。」
ゆるやかに、しかし確実に追い込まれていく。
女の腰は震え、再び熱の波に呑み込まれていく。
「……っ、だめ、また……!」
悲鳴のような声と共に、女の背が大きく反り返る。
なとりはその瞬間を逃さず深く沈み込み、自身も限界へと突き進んだ。
な「……俺も……一緒に……!」
吐息を荒げ、女を抱き締めたまま熱を溢れさせる。
女の体が痙攣し、涙をにじませながらなとりの腕に縋りついた。