第20章 ほどける夜
女が小さく痙攣を残しながらソファに沈み込む。
肩で大きく息をし、涙で濡れたまつ毛が震えている。
その姿に、キタニの瞳がさらに熱を帯びた。
タ「……まだ、終わりじゃねぇだろ。」
低い声が、女の耳をかすめる。
汗に濡れた体を押し付け、再び強く腰を打ち付けた。
「やっ……もう、むり……!」
弱々しい抗いの声。
けれど、抱きすくめる腕には力がこもっていない。
タ「むりでも……受け止めろよ。お前がそうしたんだ。」
吐き捨てるように言い、荒い息を混ぜながら深く突き上げる。
女の喉が引きつったように震え、声にならない悲鳴が漏れた。
なとりは隣でその様子を見つめ、唇を噛む。
だがすぐに女の額にそっと手を当て、柔らかい声を落とした。
な「……大丈夫、大丈夫だから。」
慰めの囁きと同時に空いた手で女の腰を支え、キタニの強さに耐えやすいように導いていく。
女は必死に首を振りながらも、その瞳は潤み甘い声を抑えきれない。
キタニの動きは荒々しく速まっていき、限界が近いことを告げていた。
タ「……っ、くそ……中で……。」
低く噛み殺すような声。
「だめっ……!」
女が弱く抗うと、なとりがその手を握り締める。
な「……諦めなよ。今のタツヤさん、止められない。」
その言葉通り数度強烈に突き込まれ、キタニは熱を吐き出すように果てた。
女はその勢いに再び声を上げ、全身を震わせながら彼の腕に押し潰される。
しばらくの間、キタニは深く抱き込んだまま荒い呼吸を繰り返した。
汗が女の首筋に落ち、熱が絡み合う。
タ「……っ、は……これで、わかったろ。俺から逃げられない。」
だが、終わりはまだ訪れていなかった。
キタニが女を抱えたまま息を整えると、なとりがゆっくりと腰を動かす気配が伝わった。
な「……俺も、もう我慢できない。」
低く震える声が女の耳に届く。
「な……とり……?」
弱々しい声で名を呼ぶと、なとりは髪を撫でながら甘く囁いた。
な「優しくする。だから……受け入れて。」
女は疲弊しきっているはずなのに、その声に思わず瞳を潤ませ抗うことができなかった。