第18章 密室に沈む
な「……ほんと、酔うとエロくなるよね。」
なとりは小さく呆れたように笑いながら、吐息を落とす。
けれどその瞳は、笑みの裏に隠せない熱を帯びていた。
ベッドに押し倒されたままの彼女は赤い頬で息を乱し、潤んだ瞳を揺らしている。
「え……なとり……。」
名前を呼ぶ声は震えと甘さが入り混じり、なとりの理性をさらに削った。
な「そんな目で見られたら……我慢なんてできないだろ。」
囁くと同時に唇を塞ぐ。
酔いのせいか彼女は戸惑うように小さく呻き、それでもすぐに受け入れるように唇を開いた。
濡れた舌が絡み合い、熱が一気に広がっていく。
なとりは手を伸ばし、彼女の髪をかきあげながら頬を撫でた。
柔らかな感触とアルコールの甘い匂いが鼻を満たす。
な「……あったかいな。」
耳元に落ちる声が低く響く。
彼女の背筋がぴくりと震え、シーツを強く握った。
な「もっと、俺に……ちょうだい。」
求めるような言葉と共に、彼の手は彼女の身体を滑り降りていく。
触れられるたびに彼女の呼吸が速まり、酔った瞳がとろんと潤んでいった。
「……なとり、やだ……。」
口では拒むように言いながら、その声に力はなく身体は逃げようとしない。
むしろ腕を伸ばして彼の肩を掴み、寄り添うようにしがみついてくる。
な「やだって言いながら、こんなに震えて……。」
なとりの声は、からかうようでいて切実でもあった。
な「俺に触られてるの、ほんとは好きなんでしょ。」
「ちが……う……。」
弱々しい否定の言葉は、熱に溶けて途切れる。
なとりはその様子を見て、喉の奥で笑う。
な「ほら、やっぱり……酔うと、隠せなくなるんだ。」
そう言いながらさらに深く口づけ、彼女の声を奪った。
唇を離した時には、もう彼女の瞳は完全に潤んでいて息は甘く乱れていた。
な「……ねぇ、俺に全部預けてよ。」
耳元に囁かれる声に、彼女はただ小さく頷いた。
その瞬間、なとりは彼女を強く抱きしめ深く結ばれた。
「っ……!」
思わず上がる声を、なとりは口づけで塞ぎながら荒々しくも愛おしげに身体を重ねた。