第17章 閉ざされた扉の向こう
タ「答えろよ。」
強く腰を打ちつけながら、彼は耳元で問いを繰り返す。
タ「否定できないのは……俺だからか?」
彼女は首を振り続けるが、そのたびに快感が深く刺さり涙まじりに声が零れる。
「……いや……っ、でも……。」
タ「でも?」
「……タツヤだから……。」
その言葉を聞いた瞬間、彼の瞳に浮かんでいた苛立ちが愉悦と独占欲に変わる。
タ「……やっと認めたな。」
嬉しさに滲む低い声と共に、彼はさらに深く彼女を貫く。
荒々しい動きの中に確信を得た喜びが混じり、彼の表情には支配と快楽が入り交じっていた。
タ「……俺以外に、お前をこんなにできるやつはいない。」
耳元に強く囁かれ、彼女の心臓は大きく跳ねる。
否定しようとしても、もうできない。
彼の言葉も動きも、すべてが彼女を快感の渦に閉じ込めていた。
ベッドの上、2人の影が幾度も重なり合い夜は深く溶けていった――。
シーツに沈み込む彼女の身体を覆い尽くすように、キタニの影が重なっていた。
額から滴る汗が首筋を伝い、熱の残滓が互いの肌を焦がす。
深く結びついたまま彼の動きは荒々しくも律動を増し、ベッド全体が小さく軋む。
タ「……もう否定できねぇだろ。」
耳元で囁く声は低く、荒い息に混じって震えるほどの熱を帯びている。
「……や、いや……っ。」
彼女は弱々しく声を絞り出す。
けれど、その言葉とは裏腹に身体は彼の動きに合わせて反応してしまう。
背を反らし爪を彼の背中に食い込ませ、抑えきれない甘い声を吐き出していた。
タ「……あぁ、そうだ……その声……。」
快楽に歪んだ表情を見て、キタニの唇に笑みが浮かぶ。
タ「俺にしか出せねぇ……俺にしか、感じさせられない……。」
彼の腰が深く打ち込まれるたび、彼女の喉から甘い悲鳴が洩れる。