第17章 閉ざされた扉の向こう
狭い玄関の空気は、すで2人の熱で飽和していた。
壁に押しつけられたまま彼の荒い動きに翻弄され、彼女の身体は小さな震えを繰り返す。
拒絶の声は途切れ途切れに溶かされ、甘く湿った声に上書きされていく。
タ「……もう逃げられないって、わかっただろ。」
低く囁きながら、彼は片腕で彼女の腰をしっかりと抱き寄せた。
抜かずに、そのまま深く結合させたまま力強く身体を持ち上げる。
「きゃ……っ!」
突然浮かび上がった感覚に彼女は腕を彼の首に回し、必死にしがみつく。
腰の奥まで貫かれたまま歩かれるたび震える快感が腹の底で波打ち、声が抑えきれなくなる。
「や……っ、だめ……歩かないで……っ、あ、あぁ……!」
タ「……面白ぇな。動くたびに、奥で締めつけてきて……。」
彼の声は荒く、しかし愉悦に満ちていた。
ベッドまでの短い距離が永遠に続くかのように感じられる。
彼女の身体は足を絡めながら彼の腰にしがみつき、背中に爪を立てて耐えた。
やがて寝室にたどり着くと、彼はそのままベッドに彼女を投げ出す。
シーツの上に沈み込む瞬間、繋がりが深く突き刺さり彼女は喉の奥から切ない声を漏らした。
「……ぁ、んっ……!」
覆いかぶさるように見下ろしながら、彼は荒い吐息をこぼす。
額に浮いた汗が彼女の頬に滴り落ち、絡み合った体温が一層熱を帯びる。
タ「……否定できないのは、俺だからか?」
低い声が耳元に落ちる。
タ「俺じゃなきゃ、こんな声……出さねえだろ。」
その問いかけに、彼女は必死に首を振る。
「ち、違……う……そんなこと……。」
否定の言葉を吐きながらも、腰は無意識に彼の動きに応えてしまう。
背を反らし、爪をシーツに食い込ませ声を殺そうとしても漏れてしまう。
タ「……やっぱりな。違うって言いながら、締めつけて……気持ちよさそうにしてる。」
彼はわざとゆっくりと突き上げ、彼女の反応を引き出す。
タ「俺だからだろ? 他の誰でもなく、俺だから……こんな風になるんだろ。」
「……っあ、や……っ!」
否定の言葉が喘ぎに溶かされ、まともに返事ができない。