第17章 閉ざされた扉の向こう
否定する気持ちがあっても身体が勝手に反応しているその様子が、抑えきれない快感を伴って彼の心を焦がす。
タ「そうだ……それで良い。俺の前で、完全に否定できない自分を認めろ。」
唇と指先が絶え間なく絡み合い、彼女の抵抗を嘲るように強く押しつける。
小さな声は叫びに変わり、否定の言葉は次第に甘い喘ぎに溶けていった。
荒々しくも絶妙な強弱で攻め続けるキタニに彼女の身体は逃げ場を失い、完全に反応してしまう。
心の中で必死に拒否しようとする意志は、身体の震えと喘ぎの前にあっさり崩れていく。
タ「……もう、俺だけのものだって、わかったな……。」
耳元に囁かれるその言葉に全身の力が抜け、抵抗も言葉も意味を失う。
荒々しい行為と甘い囁きに頭は真っ白になり、身体は完全にキタニの支配下に落ちていった。
息が荒く心臓が破れそうなほど高鳴る中、彼の手と唇は止まらず否定と承認の境界線を越えて深く熱い官能の渦に2人を巻き込んでいく。
玄関の狭い空間に、熱と荒い吐息が充満していた。
押さえつけられたまま彼の動きに翻弄され、彼女の唇からは否定の声と抑えきれない甘い喘ぎが交互に漏れる。
「……っいや……やめ、タツヤ……。」
必死に抗おうとする言葉。
だが、その直後に震える声が掠れて喉の奥から甘い声が漏れる。
「……あぁ……っ……。」
その瞬間、キタニの胸の奥で何かが爆ぜる。
――否定できていない。
言葉では“嫌だ”と言いながら、身体は正直に応えてしまっている。
その矛盾が彼をさらに苛立たせ、同時にどうしようもない高揚を与える。
タ「……結局、俺を拒めないんじゃないか。」
唇を噛み、首筋に噛み痕を刻みながら低く囁く。
彼女の身体が震え、膝が力を失っていくのを支えながら苛立ち混じりの笑みが浮かんだ。
タ「口では否定して、身体は正直……。お前、矛盾してるんだよ。」
言葉と同時に腰を強引に引き寄せ、荒々しい動きで奪う。
「……やっ……あ、あぁ……っ!」
拒絶の声が甘い悲鳴に変わり、壁に指先が食い込む。
その声が彼の耳に快感として染み込み、怒りよりも喜びが勝っていく。