第14章 熱に捕らわれて

タ「だめじゃねぇだろ。お前の体がちゃんと反応してんだから。」

キタニの声は低く、確信めいている。

「違う……っ、そんなの……。」

言葉を遮るように、なとりの舌が痕をなぞる。

な「苦しいなら、もう俺らに委ねて。」

優しい囁きが耳に触れ、抗いがたい重みを持って沈み込む。

赤く刻まれた痕は2人の嫉妬を煽り、唇と舌が絶え間なく重ねられていく。

タ「……ほら、もう隠せない。」

キタニが嗤い、片方の手で強引に腰を引き寄せる。

タ「かやは、俺たちがもっと深く刻まなきゃ気が済まねぇんだよ。」

なとりの腕もまた強く抱き締めてきた。

優しさではなく、独占欲の強い抱擁だった。

「お願いだから……離して……。」

掠れた声は、2人の熱にかき消される。

痕を巡る嫉妬が2人の手を、唇を、そして熱を一層激しくしていった。

かやの体はその証拠を次々と刻まれ、もはやどちらに支配されているのかも分からなくなっていく。

ただ、逃げられない。

2人の嫉妬と独占欲に、完全に絡め取られて──。






2人に痕を覆われ、全身が痺れるように熱を帯びていた。

唇も肌も、どこを触れられても敏感に反応してしまい声を押し殺すこともできない。

タ「……もう、隠せないな。」

低く笑うキタニの指が、腰を強く引き寄せる。

下着越しに触れる指先の感触が生々しく、体が跳ねた。

「やだ……っ。」

弱々しく押し返すが、腕を掴まれて逃げ場を塞がれる。

タ「やめてほしいなら、言葉じゃなく体で示せよ。……でも、できねぇだろ。」

挑発的な囁きに耳が熱を持ち、視線を逸らす。

なとりが横からかやを抱き寄せ、震える声で言った。

な「……俺も、止められない。」

その言葉の直後、2人の手が同時に下着を外していく。

布越しの温もりが消え、空気が肌を撫でる。

羞恥に全身が熱を持ち、思わず脚を閉じようとした。

だが、キタニの手が膝を強引に押し開く。

タ「隠すな。……全部、俺たちに見せろ。」

その圧に抗えず、視線を逸らしたまま硬直する。

なとりが優しく腰を支え、耳元で囁いた。