第14章 熱に捕らわれて
バ「シーッ。大丈夫だ。俺に任せろ。」
彼はかやを壁から解放し乱れたスカートを適当に整えてやると、ゆっくりとベルトを締め直した。
その仕草には焦りも狼狽もなく、ただ愉快そうな余裕が漂っている。
な「かや? 開けても良い?」
ドアの向こうから再び声。
彼はにやりと笑みを浮かべ、かやの顎を掴んで無理やり顔を上げさせた。
バ「……お前の顔、真っ赤で良い感じだな。隠そうとしたって無駄だ。」
羞恥に耐えきれず俯こうとするが、彼の手はそれを許さない。
次の瞬間、カチャリとドアのロックが外される。
「……っ、だめ……!」
慌てて止めようとした声も虚しく、彼は静かにドアを引き開けた。
外には、心配そうにこちらを覗き込むキタニとなとり。
だが彼の姿を目にした瞬間、2人の表情は一瞬で固まった。
彼は涼しげな笑みを浮かべたまま何事もなかったかのようにドア口に立ち、2人に向かって軽く顎をしゃくる。