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上書きしちゃった

第13章 密室の罠


バ「かわいい……。」

酒で赤らんだ彼の目は、それでも熱に濡れて真剣だった。

バ「もっと欲しがってる顔してる。」

「……そんなこと……。」

言いかけた唇は、すぐに塞がれる。

深く、長く、絡め取るような口づけ。

舌が絡み合うたび、理性が少しずつ溶けていく。

バ「ねえ……ここが良い?」

問う声は掠れていたが答えを求めるよりも、すでに行動が先に進んでいた。

下着越しに指が触れ、女の腰が跳ねる。

「っ……やぁ……。」

狭い空間に響いた声を、自分で両手で塞ぐ。

バ「隠さなくて良い。」

男は囁き、手首をそっと外しながらさらに深く触れる。

水音に似た湿った音が、個室に小さく響いた。

バ「すごい……もう、こんなに。」

耳元で熱い声が零れる。

羞恥と背徳感が混じり合い、女は顔を横に逸らすしかなかった。





個室の中は、換気の音と自分の荒い息遣いしか聞こえなかった。

狭い空間に押し込められ、壁に背を預けたまま彼の体温が覆いかぶさるように迫ってくる。

バ「……逃げられないな。」

低く笑う声が耳元に落ち、鳥肌が立つ。

頬に触れる指先が熱い。

まるで観客の前でギターを掻き鳴らすときと同じ支配的な眼差しで、彼はかやを見下ろしていた。

抵抗の言葉を探そうと口を開くが、唇に触れた彼の指がそれを塞いだ。

バ「シッ。」

という音と共に、湿った吐息が首筋を撫でていく。

彼の腕に捕らえられたまま、体はますます強く壁へと押しつけられる。

狭い個室の中で、2人の距離は限界まで近づき衣擦れの音がいやらしく響いた。
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