第2章 譲れない想い
タ「…誰だ?こんな時間に。」
「私が出るね。」
女が立ち上がりドアを開けると、そこには少し息を弾ませたなとりが立っていた。
な「こんばんは。」
「来てくれたんだ!」
女は思わず笑顔を弾けさせる。
リビングに戻ると、キタニが目を見開いて固まった。
タ「……なんでお前が?」
な「えっと……かやさんに誘っていただいて。」
なとりは少し気まずそうに答える。
女は笑って場を繕うように言った。
「サプライズ、ってことで。せっかくだから3人で飲もうかなって。」
タ「……はぁ?」
キタニは呆れたように頭を掻き、ため息をついた。
だがそれ以上は何も言わず冷蔵庫からもう1本ビールを取り出し、なとりに手渡す。
タ「まぁ、良いか。座れよ。」