第11章 諦めない婚約者
気付けばお屋敷の目の前…悟くんの術式は本当、どうなってるんだか…。
遮蔽物がなければ瞬間移動も出来ちゃうなんて…交通インフラなんていらない。
大事な話があるんだけどー!と叫びながら敷地内に入っていく悟くんに手を引かれて足を踏み入れる。
「僕、奏音と結婚しますから。他の女性をいくら送り込まれても、相手にしません。」
悟くんって本当はご家族にも敬語なんだ。
前は怒ってたからあんな感じだったのかな。
目の前のご両親や祖父母様にはっきりと言い放つ悟くん。
「それじゃあ…僕たち、調べたいものあるからいろいろ見させてもらいますね〜。」
調べたいもの…?
話をしに来ただけではないのか?
手を引かれてお屋敷の奥へと連れていかれる。
「君とセックスした後、力が湧いてくるというか…呪力が湧いてくるというか…なんか、そういうの感じたんだよね。今なら宿儺に圧勝出来そう、って思った。」
した後?力が戻った時だろうか。
「僕の先祖も還魂の術?で生き返ったんだよね?じゃあ五条家にも記録は残ってると思うんだ。」
たくさんの書物が置かれている部屋に入り、悟くんはいろいろ見始めた。
ご両親等が止めに入ったが、悟くんは全て無視していた。
そして日も暮れ始めた頃、悟くんが声を上げる。
「奏音〜ちょっと来て。」
悟くんに近寄ると1冊の古い書物を見せてくる。
そこに書かれていたのは……。