第11章 諦めない婚約者
「ねぇ奏音、起きて。なに、この状況…。」
帰ってきた悟くんに起こされるまで2人共起きなかった。
「ん…おかえりなさい、悟くん。」
「ただいま。で?なんでいんの?」
昨日のことを悟くんに話せば、頭を抱えながら乾いた笑いを零している。
僕のことは気にしなくていいから上げるなと呆れられた。
「何もされてないならいいけどさ。」
少し手を引かれて口付けられる。
大好きと呟いて何度も唇を奪われた。
そしてそのまま抱き抱えられて寝室に連れていかれる。
「雫さんは……。」
「放っておけばいい。今は奏音だよ。」
眠ったままの婚約者を放って、私を貪る男。
スボンや下着を剥ぎ取って舌で陰核を刺激され、早々にイかせられる。
「僕、シャワー浴びてくるね。」
なんだったの…帰ってきて早々キスして舐められた。
自分はしなくていいのかな…。
頭がふわふわしてまだ動けない。
もう前みたいに時間をかけてはしてくれないのだろうか。
呪術師に戻って忙しくなってしまったから、もうあまり時間はかけられないだろう。寂しい…。
やっと余韻が治まり脱衣所へ行くと浴室から声が聞こえてくる。
「だから無理だって。服どうすんの。」
「脱がせて。ね、悟…しよ。私たち結婚するんだよ?今までもしてたし、いいでしょ?」
仲良くなったつもりでいたけど、やっぱり諦める気はないのか…。
扉を少し開いてそっと覗く。
気付いた悟くんは着替えさせてとびしょびしょの雫さんを渡してきた。
すると雫さんは私をグイッと引っ張り、私までびしょびしょになってしまう。
「あーもう…奏音、大丈夫?」
すぐに悟くんはシャワーを止めて濡れた服を脱がし浴室から出て、タオルでわしゃわしゃと拭いてくれる。