第11章 諦めない婚約者
「悟ってえっちの時、キスもしないしあんまり喋らないし、激しすぎて嫌なっちゃうよね…。」
いきなりぶっ込んだ話題を出されて、え、え…?と固まってしまう。
「は、激しいのはわかります…でも、たぶん悟くん、キス魔……いっぱい喋って、ます…?」
「じゃあ、奏音ちゃんのこと本当に好きなんだ。」
溺愛のこと話しましたよね?あれ?伊地知さん話したよね?
「溺愛ってさ、独り善がりのもんじゃない?盲目的になってるから、欲に任せて抱いてきそう…。」
術のせいで私を溺愛してると言えばそう返された。
正直、悟くんはそこまで盲目的にはなっていないと思う。
私の意志をちゃんと尊重してくれるし、無理やり抱かれることもない。
えっちなことも私が嫌だと言えばずっと我慢していた。
キスはいつもされてたけど…。
盲目的になってるのはむしろ私の方…少しでも悟くんの熱の篭った瞳を見つめれば、ダメだと言う悟くんに無理やり迫ってしまう。
悟くんのことになると一人で突っ走ってしまう。
「確かに無理やり抱かれたことはないですし、嫌だと言えばそれ以上はしてきません。でも、溺愛ってそれとは違うような…?」
いっつも可愛い可愛い言われる…人前でもイチャイチャしてくる。
「まあ大事にされてるっていうのは変わらないよね。」
「そうですね…大事にされてると自負しています。けど……激しすぎます!」
つい私も愚痴ってしまった。
だって、あの時の記憶、途中からないんだもん。
次はベッドでいつもみたいにどろどろに溶かされたいな…。
結局ずっと話し込んでお酒も追加して、いつの間にか眠ってしまっていた。