第10章 最強の復活
気が付けばすでに高専の上空。
だからなんで、空中なの…ぶるぶる震えながら悟くんにしがみつく。
「お、みんな気付いたみたいだね。」
「え?」
もう気付いたの?
恐る恐る顔を上げ、下を見下ろす。
呪術師たちが私たちを見上げていた。
また一瞬で地上へと降り、やぁ、とみんなに軽く挨拶をしている。
みんな死んだと思っていたんだ、そんなだと怒られるぞ。
「なっ…ご、ごごごごご五条先生!?」
ご、何回言った?
生徒は悟くんが生きていることを知らなかったようだ。
「幽霊!?なに!?え、ドッキリ…?」
制服の下にパーカーを着たピンクの髪の男の子ばかり喋っている。
「棘、ストップ。血吐くだけで終わらないかもよ?」
白髪の男の子が襟元を下げ、口を開こうとしたのを悟くんが止めた。
左腕、ない…?
他の子たちも傷跡がすごい。
それ程激しい戦闘だったのだろう。
「もしかして、奏音かい?」
「っ!冥ちゃん!」
みんなが、ちゃん!?と驚いている。
驚くようなことだろうか…。
悟くんは硝子ちゃんを呼び、私に反転術式をかけるよう言っている。
ぽわぁ…と白いっぽい何かに包まれ、それが消えると終わったのか、硝子ちゃんは離れていった。
「立てる?」
ゆっくり降ろされて、特に痛み等は感じなかった為、大丈夫と返した。