第9章 離れることは許されない
あれから2日程経ち、あの後硝子ちゃんは一度高専に戻り点滴を用意してくれて、還魂の術で危なくなることはないので、呪力が切れたら2人が交代で来てくれることになっている。
実は前は点滴をしていないので、恐らくなくても大丈夫だろうとは思ったが、一応と硝子ちゃんはしてくれた。
脱水症状が出る可能性があるからと。
ここの合鍵を伊地知さんが管理しているが、私が呪力が切れたと連絡すると、硝子ちゃんか憂太くんのどちらかに渡し来てもらっている。
「悟くん…寂しいよ…。」
ずっとキスをされたり触れられたり話しかけられたりしていたから、それがないのがすごく寂しい。
先程呪力が切れて伊地知さんに連絡を入れた。
その間に悟くんの身体を拭き、上に覆い被さって開いたままのシャツから覗く肌に指を這わせる。
温かい…。
そのまま顔を下げ、唇を重ねた。
「奏音さん?えっと…いいですか?」
「あ…憂太くん……うん、いいよ。お願いします。」
いつの間にか入ってきていたらしく、しかも今日は憂太くんだった。
寝室に入ってきて脳の治療を始める。
その間にシャツのボタンを閉めて、握られていない方の手を取り、自身の頬にあてる。
「あ、あの奏音さん…なんかしてました?ソレ……。」
治療が終わったのか、問いかけてきた憂太くんが指差す方向へ目を向けた。
「あ、え…?私、キスしかしてないからね!?」
悟くんの中心が膨らんでいて慌てて否定する。
憂太くんは帰りますねとそそくさと帰ってしまった。
男の寝込みを襲う痴女だと思われただろうか…。