第8章 2人が交わる時
みんなをリビングに呼び、お茶やお菓子等を出して、私は寝室に向かった。
いろいろと説明は伊地知さんに任せてしまった。
悟くんは誰かが見てないと…。
悟くんの呪力が切れるにはどのくらいかかるのだろう、呪力が回復したらまた暴走するのだろうか。
「奏音さん、大丈夫……ではないですよね。大切な人がこんな状態ですし…。」
憂太くんが来て、私を心配してくれる。
「ありがとう…ねぇ、憂太くん、悟くんの呪力ってどのくらいあるの?どれくらいで切れるのかな…。」
「五条先生は呪力は多い方です。今日中に切れるか切れないか…ですね、恐らく…。」
そんなに…祖母が治癒はゆっくりだと言っていたから、不安で不安で仕方ない。
日付けが変わってしまっているので、今日中というのは8日のうちに、ってことだろう。
頭に手を伸ばしても触れられない、触れたいのに…。
「悟くん…ずっと待ってるね、今頑張ってるんだもんね。」
憂太くんはいつの間にかいなくなっていたので、リビングに戻ったのだろう。
そうだ、今日で切れるかわからないのなら、みんなにはその間休んでもらわないと…。
毛布を3枚引っ張り出してきて、リビングに持っていく。
「悟くんの呪力が切れるまでゆっくりしててください。すみません、飲み物がなくなったり何か他に食べたいものがあれば、勝手に冷蔵庫からお願いします。ケーキも食べて大丈夫です。私、悟くんのとこにいます。」
一気にそう伝え、急いで寝室に戻った。
悟くんの隣に横になり、顔を見つめる。
その伏せられた目が開いてくれたら…。
そのまま見つめているとウトウトとし始めて、いつの間にか眠ってしまっていた。