第6章 引越し
とりあえず水を持ってきて差し出すと首を振られた。
「奏音の口からがいい。」
何を言ってるんだ、口移しで飲ませろと?
飲んでとペットボトルの飲み口を口に持っていったが、やだと突き返されてしまう。
少し悩んでから水を口に含んだ。
アイスを口移ししたことがあるんだ、私なら出来る。
唇を重ね軽く開いた口に水を流し込んでいく。
ゴクッと飲み込む音が聞こえたので離れようとすると後頭部を押さえられて、そのまま舌が絡んだ。
キスばっかり…。
いつもより舌の動きが荒い、酔ってるからだろうか。
それでも気持ちよかった。
舌が絡まっていろんな動きをする。
クルクルと円を描くように絡んだり、舌先をちろちろと舐め合ったり、舌裏を撫で上げられたり…。
甘い声が漏れて頭がボーッとしてくる。
舌が絡み合ったまま離れていき、名残惜しそうに舌先が離れた。
銀糸が離れる度伸びて、最後は切れた。
「ふふふっ、奏音もとろとろなっちゃったぁ。」
この酔っ払いめ…キスがしつこい!たぶん!他は知らない!
悟くんは笑っていたかと思うと目を伏せて睫毛を濡らした。
え、急にどうしたの?
私の名前を呟きながら倒れ込んでくる。